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2026年6月16日
本記事は、口腔機能低下症(オーラルフレイル)の定義・診断基準・セルフチェック方法・予防トレーニングまでを網羅的に解説します。
「最近、食べ物が噛みにくくなった」「むせることが増えた」「滑舌が悪くなった気がする」…そのサインを見逃さないために、ぜひ最後までお読みください。
口腔機能低下症とは、加齢・疾患・生活習慣などにより口腔の機能が複合的に低下した状態で、2018年に歯科保険病名として正式に収載された疾患です。単なる「老化」ではなく、適切な介入で改善が可能な医療対象として位置づけられています。
「オーラルフレイル」は、口腔機能の健常な状態(健口)と「口腔機能低下症」の間にある概念です。オーラルフレイルは「歯の喪失や食べること・話すことに代表されるさまざまな機能の軽微な衰えが重複し、口の機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態」と定義されています。
オーラルフレイルがさらに進行すると、歯科疾患としての「口腔機能低下症」に移行します。放置すれば咀嚼機能不全・摂食嚥下障害が常態化し、低栄養・体重減少・全身的な健康悪化へとつながる負の連鎖が生じます。
東京大学の飯島らによる大規模高齢者虚弱予防研究(柏スタディ)では、オーラルフレイルの判定に6つの指標(残存歯数・咀嚼能力・舌圧・滑舌など)が用いられており、3項目以上の該当でオーラルフレイルと判定する方法が提唱されています。

口腔機能低下症は、7つの評価項目のうち3項目以上に低下が認められた場合に診断されます。各項目は専用の検査機器や評価指標を用いて客観的に測定されます。
7つの評価項目は以下のとおりです。
これらの検査は、かかりつけ歯科医院で専用機器を使って行われます。患者さんが自宅で完全に再現することは難しいですが、簡易的なセルフチェックで気づきを得ることは可能です。
例えば、「/pa/・/ta/・/ka/」をそれぞれ10秒間できるだけ速く発音し、1秒あたり6回未満しか言えない場合は舌口唇運動機能の低下が疑われます。これは自宅でも試せる簡単なチェック方法です。
オーラルフレイルのセルフチェックには「OF-5」と呼ばれる5項目の質問票が広く使われており、2項目以上に該当する場合はオーラルフレイルの疑いがあります。
オーラルフレイルチェック項目(OF-5)は以下の5つです。2項目以上に当てはまる場合は、かかりつけ歯科医に相談することが推奨されています。
このチェックはあくまでスクリーニングです。「2項目以上に該当した」「最近食べこぼしが増えた」「滑舌が悪くなった」と感じたら、早めに歯科医院を受診して精密検査を受けることが大切です。
口腔機能の低下は、日常のちょっとした変化として現れます。以下のサインに心当たりがある場合は要注意です。
これらは「年のせい」と見過ごされがちですが、「口腔機能低下を早期に自覚することで、生涯にわたり食べることを楽しみ、健康長寿を支えられる」と強調しています。
口腔機能低下症を放置すると、咀嚼機能不全・摂食嚥下障害へと進行し、低栄養・誤嚥性肺炎・全身機能の低下につながります。口腔の衰えは全身の衰えと密接に連動しています。
口腔機能低下症の概念図(出典:日本歯科医学会2018年)によると、口腔機能低下症がさらに進行すると咀嚼機能不全・摂食嚥下障害が常態化し、全身的な健康が損なわれます。具体的には以下のリスクが高まります。
高齢者においては、むし歯・歯周病・義歯不適合などの口腔要因に加え、加齢・全身疾患・薬剤の副作用なども口腔機能低下を修飾し、複雑な病態を示すことが少なくありません。

口腔機能低下症の予防・改善には、舌・口唇・頬の筋力トレーニング、唾液腺マッサージ、発音練習などを組み合わせた「口腔機能訓練」が有効です。自宅でも実践できるものが多く、継続が重要です。
以下のトレーニングは、日本歯科衛生士会や神奈川県が推奨する「健口体操」にも含まれる基本的な方法です。毎日継続することで、舌圧・咀嚼力・嚥下機能の維持・改善が期待できます。
自宅トレーニングと並行して、歯科医院での専門的な管理が不可欠です。口腔機能低下症と診断された場合、検査結果に基づいた個別の「口腔機能管理計画」が作成され、定期的なフォローアップが行われます。
口腔機能低下症の重症化を予防するためには、中年期から継続的に口腔機能の診断と管理指導を受けることが重要です。「食べ物が噛みづらい・飲み込みにくい」「口の中が乾く」といった症状がある場合は、早めに歯科医院へご相談ください。
寒川駅前ファースト歯科では、口腔機能低下症の精密検査から個別の口腔機能管理まで、科学的根拠に基づいた対応を行っています。JR相模線寒川駅北口から徒歩1分の好立地で、平日19時半まで・土日祝日も診療しています。
当院では、CT・マイクロスコープ・光学スキャナなど全国でも数パーセントの歯科医院しか備えていない精密機器を導入しています。口腔機能の検査においても、正確なデータに基づいた診断と管理計画の立案が可能です。
「最近、噛む力が弱くなった」「むせることが増えた」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。寒川駅前ファースト歯科 口腔機能低下のページでは、当院の診療内容や予約方法をご確認いただけます。
オーラルフレイルは口腔機能の軽微な衰えが重複した「概念・状態」で、改善が可能です。一方、口腔機能低下症は7項目中3項目以上の低下で診断される「歯科疾患」であり、2018年に保険収載されました。オーラルフレイルが進行すると口腔機能低下症に移行します。
40〜50代の中年期から意識することが推奨されています。加齢だけでなく、歯周病・義歯不適合・全身疾患・薬の副作用なども原因となるため、年齢に関わらず気になる症状があれば早めに歯科医院を受診することが大切です。
はい、2018年に歯科保険病名として収載されており、保険診療の対象です。かかりつけ歯科医院で精密検査を受けることができます。検査内容や費用の詳細は受診先の歯科医院にご確認ください。
1日2〜3回、各音節を5〜10秒間繰り返すことが目安です。毎日継続することで舌・口唇・咽頭の筋力維持に効果が期待できます。食事の前に行うと嚥下の準備運動にもなります。
お茶や汁物でむせることが増えた場合、嚥下機能の低下が疑われます。オーラルフレイルのチェック項目(OF-5)にも含まれており、2項目以上に該当する場合は歯科医院での精密検査を受けることをお勧めします。
適切な口腔機能管理と訓練により、改善・維持が可能です。早期に発見して歯科医院での管理と自宅トレーニングを継続することで、咀嚼力・舌圧・嚥下機能の回復が期待できます。放置すると進行するため早期対応が重要です。
はい、残存歯数が20本未満の場合は咬合力低下の診断基準に該当します。歯の本数は咀嚼力に直結するため、歯を失わないための歯周病予防・定期検診が口腔機能維持の基本となります。
口腔機能の低下は低栄養・誤嚥性肺炎・サルコペニア・認知機能低下などのリスクを高めます。また、歯周病は糖尿病・心疾患・脳卒中との関連も指摘されており、口腔の健康管理は全身の健康維持に不可欠です。
口腔機能低下症は「年のせい」で片付けてはいけない、治療・改善が可能な歯科疾患です。オーラルフレイルのセルフチェック(OF-5)で2項目以上に該当した場合や、むせ・食べこぼし・口の乾きが気になる場合は、早めに歯科医院で精密検査を受けてください。中年期からの継続的な口腔機能管理と日々のトレーニングが、健康長寿への最善策です。
院長
岡本 駿吾

| 平成23年 日本大学松戸歯学部卒業
平成24年~平成28年 横浜市内某歯科医院務 |
| 平成28年~令和6年 某法人歯科医院 分院長 |
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。