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2026年9月22日
妊娠中に「歯ぐきが腫れてきた」「出血が増えた」と感じていませんか?それは決して気のせいではありません。妊娠中はホルモンバランスの変化によって歯周病が急速に悪化しやすい時期であり、放置すると母体だけでなく赤ちゃんへの影響も懸念されることが研究で示されています。
結論からお伝えすると、妊娠中でも歯科検診・歯科治療は受けられます。適切な時期と注意点を守れば、むしろ「受けるべき」ケアです。とくに妊娠中期(安定期)は比較的安全に治療を進めやすい時期とされており、この時期を活用した口腔ケアが推奨されています。
この記事では、妊娠中の歯周病がなぜ起こりやすいのか、歯科検診を受ける際の具体的な注意点、時期ごとの対応の違いを順を追って解説します。
妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが急増します。これらのホルモンは、歯ぐきの毛細血管を拡張させ、歯ぐきの炎症反応を過剰に引き起こしやすい状態をつくります。歯周病菌(とくにプレボテラ・インターメディアなどの嫌気性菌)はこれらのホルモンを栄養源として増殖しやすく、口腔内の細菌バランスが崩れやすくなります。
その結果、歯みがきのたびに出血したり、歯ぐきが赤く腫れたりする「妊娠性歯肉炎」が起こりやすくなります。妊娠性歯肉炎は妊婦さんの約60〜70%に見られるとも言われており、珍しいことではありません。ただし、そのまま放置すると、歯を支える骨にまで炎症が広がる「歯周炎(歯周病)」に進行する場合があります。
つわりがある時期は、歯みがきをするだけで吐き気が強まってしまい、口腔ケアが不十分になりがちです。また、つわりで嘔吐が続くと、胃酸が口腔内に繰り返し触れることになり、歯のエナメル質が溶けて「酸蝕症」につながることもあります。
さらに、つわり中は食事を少量ずつ何度も摂る「ちょこちょこ食べ」になる方も多く、口腔内が酸性に傾く時間が長くなりむし歯リスクも高まります。つわりがある時期こそ、歯みがきの工夫と定期的な歯科チェックが大切です。
「赤ちゃんにカルシウムを取られて歯が弱くなる」という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これは医学的には誤りです。一度形成された歯の硬組織(エナメル質・象牙質)からカルシウムが赤ちゃんに移行することはありません。歯が悪化するとすれば、それは前述のホルモン変化・口腔ケア不足・食生活の変化によるものです。誤った思い込みで「どうせ弱くなるから仕方ない」とケアを怠ることが、歯の状態を本当に悪化させる原因になります。
妊娠中の歯周病が早産や低出生体重児のリスクと関連する可能性が、複数の疫学研究で報告されています。歯周病の原因菌が産生する炎症性物質(サイトカインやプロスタグランジン様物質)が血流に乗り、子宮収縮に影響を与える可能性があると考えられています。
歯周病のある妊婦さんは早産・低体重児のリスクが高まる可能性があるとする研究が複数あり、日本の産婦人科や母子保健の現場でも口腔ケアの重要性が広く認知されています(※個人差があります。歯周病のみが原因となるわけではありません)。
歯周病と糖尿病は双方向の悪循環を起こすことが知られています。妊娠糖尿病の方は歯周病が悪化しやすく、また重度の歯周病があると血糖コントロールが難しくなる可能性が指摘されています。妊娠中は血糖値が上昇しやすい側面もあるため、口腔内の管理が全身の健康維持にとっても意味を持ちます。
ご自身の口腔内環境は、生まれてくる赤ちゃんへの影響にもつながります。むし歯の原因菌であるミュータンス菌は、唾液を介した接触(スプーンの共有・口移しなど)によって赤ちゃんに感染することがわかっています。お母さん自身の口腔内を清潔に保つことは、赤ちゃんのむし歯予防にもつながります。妊娠中のうちに口腔環境を整えておくことが、赤ちゃんへの最初の贈り物になります。
妊娠初期は赤ちゃんの主要臓器が形成される大切な時期です。つわりが強い方も多く、長時間の診察台でのケアは体に負担をかける可能性があります。この時期は「痛みや腫れがひどい場合の応急処置」にとどめ、本格的な治療は安定期(妊娠中期)以降に持ち越すことが多いです。受診の際は必ず妊娠週数と「初期であること」を伝えましょう。
安定期は妊娠中で最も歯科治療を受けやすい時期です。むし歯の治療・スケーリング(歯石除去)・歯周病のケア・必要であれば抜歯なども、この時期であれば比較的対応しやすいとされています。レントゲン撮影も、防護エプロンを使用すれば胎児への影響は極めて小さいとされており、担当医師と相談のうえで判断できます。出産後は育児で通院が難しくなることも多いため、安定期中に口腔内の問題を整理しておくことが理想的です。
お腹が大きくなる後期は、仰向けで長時間過ごすことが体に負担をかける場合があります。「仰臥位低血圧症候群(あおむけになることで子宮が大血管を圧迫し気分が悪くなる状態)」に注意が必要です。歯科受診の際は、短時間の処置や口腔ケア指導を中心に、担当歯科医師にお腹の状態を都度伝えながら進めることが大切です。
⚠ 注意事項
麻酔や投薬については、産婦人科の担当医とも情報を共有したうえで歯科医師が判断します。自己判断で市販薬を服用することは避け、必ず歯科医師・産婦人科医に相談してください。また、この記事の内容はあくまでも一般的な情報であり、個人の状態によって対応が異なります。具体的な治療方針は必ず担当医にご確認ください。
妊娠中に歯科を受診する際は、初診時だけでなく毎回の診察でもスタッフや歯科医師に状況を伝えることが大切です。以下の情報を事前に伝えておくと、安全・安心な診察につながります。
つわりで歯みがきがつらい時期は、無理に時間をかけるよりも、短時間でも回数を増やすほうが効果的です。歯ブラシのヘッドを小さめのものに替える、子ども用の細い歯ブラシを使う、フッ素入りの洗口液でうがいをするといった方法が試しやすいです。
また、嘔吐後すぐに歯みがきをすると、酸で軟化したエナメル質を傷つける場合があります。嘔吐後はまず水や重曹水でゆすいでから30分ほど待った後に歯みがきをすることが推奨されています。
食後の歯みがきが難しい場合は、キシリトール入りのガムや飴を活用することも一つの方法です。ただし、これはあくまで補助的なケアであり、歯みがきの代わりにはなりません。
「レントゲンは赤ちゃんに悪影響があるのでは?」と心配される方は多いです。歯科用デジタルレントゲンの被曝量は日常生活での自然放射線量と比較しても非常に少なく、防護エプロン(鉛エプロン)を使用すれば腹部への影響は極めて限られています。ただし、妊娠初期や不安がある場合は担当医と相談のうえで判断することが望ましいです。
局所麻酔については、歯科で一般的に使用される局所麻酔薬(リドカインなど)は少量であれば比較的安全とされており、無痛治療のために使用することが赤ちゃんへのリスクより得られる利益が上回ると判断された場合に使用されます。痛みを我慢してストレスをかけるほうが、体に負担になる場合もあります(※個人の状態により異なります。必ず担当医にご相談ください)。
神奈川県高座郡寒川町にある寒川駅前ファースト歯科では、「歯科医院が怖い」「不安がある」という方の気持ちを最優先に考えた診療体制を整えています。茅ヶ崎市・厚木市・海老名市など近隣市からもご来院いただいており、妊娠中の患者さんからのご相談も多く受け付けています。
寒川駅前ファースト歯科は、JR相模線「寒川駅」北口から徒歩1分。神奈川県高座郡寒川町はもちろん、茅ヶ崎市・厚木市・海老名市からも通いやすい立地です。水曜・祝日以外は毎日診療(10:00〜19:30)。WEB予約は24時間受付中です。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
👨⚕️ 院長 岡本駿吾より
「妊娠中のお口の変化は、ホルモンの影響で自分では防ぎにくい部分もあります。だからこそ、定期的に歯科でチェックを受けることがとても大切です。当院では、患者さんがまず安心して話せる場所であることを大切にしています。『妊娠中だけど何をされるかわからなくて不安』という方も、まずお気軽にご相談ください。どんな小さな悩みでも、しっかりお聞きします。治療する歯科ではなく、予防する歯科として、妊娠中から産後まで長くお付き合いできる歯科医院でありたいと思っています。」